メカ設計計算ツール

慣性モーメント計算

部品の形状・質量・寸法と、回転軸からの距離を入力すると、慣性モーメントの合計をその場で計算します。計算はすべてブラウザ上で行われます。

寸法の単位
形状
向き
回転軸rGd
kg
mm
mm

回転軸から部品の重心までの距離。重心が軸上なら 0。

mm

任意。組立図を描くためだけに使い、計算には影響しません。空欄なら仮の高さで描きます。

組立図(横から見た図)
12回転軸
  • 部品1から順に、左右が重なる前の部品の上に載せて描いています(重なる部品がなければ一番下)。左右・上下の位置は、慣性モーメントには影響しません。
  • ● は各部品の重心 G、細い点線は回転軸から重心までの距離 d です。直方体の幅 W は奥行き方向です(図には表れません)。

計算結果部品 2 個の合計

慣性モーメント(合計)

J =0.07958kg·m²

= 795.8 kg·cm²(×10⁻⁴ kg·m²)

GD²GD² = 4J(重力単位系)0.3183kgf·m²
合計質量7kg
部品ごとの慣性モーメント
部品Jcmd²J [kg·m²]割合
1. 円柱・回転軸と平行0.0562500.0562570.7%
2. 直方体0.0033330.020.0233329.3%

部品ごとに J = Jc + md²(平行軸の定理)を求めて合計しています。m はその部品の質量、d は回転軸からその部品の重心 G までの距離です(重心が軸上なら d = 0)。

計算式・途中計算を見る ▼
慣性モーメント J:
物体の「回転しにくさ」。回転軸から質量が離れているほど大きくなります。
重心まわりの慣性 Jc:
部品の重心を通る軸(回転軸と平行)まわりの慣性モーメントです。
md²:
平行軸の定理の項。部品の質量 m が重心に集まっているとみなし、回転軸から距離 d のところを回る分の慣性モーメントです。

入力(SI単位に換算)

1. 部品1(円柱・回転軸と平行、m = 5 kg)

2. 部品2(直方体、m = 2 kg)

3. 合計

※ 途中式の数値は有効数字6桁で表示しています。

ここまで:計算ツール

慣性モーメントについて詳しく知る

慣性モーメントとは

慣性モーメント は、物体の「回転のしにくさ」を表す量で、単位は kg·m² です。物体を小さな質点に分けたとき、各質点の質量 と回転軸からの距離 の2乗の積を合計したものです。

距離の2乗で効くため、同じ質量でも回転軸から離れた位置にあるほど、慣性モーメントは大きくなります。モータで負荷を加速するときのトルクは なので、慣性モーメントはモータ選定の出発点になります。

形状ごとの慣性モーメントの式

このツールで扱う形状の、重心を通り回転軸と平行な軸まわりの慣性モーメントは次のとおりです。同じ円柱でも、回転軸に対する向きで式が変わります。回転軸が鉛直なら、「平行」は回転テーブルに円板を寝かせて置いた状態、「直交」は丸棒やローラを寝かせて置いた状態です。

形状慣性モーメント
円柱(円柱の軸が回転軸と平行)
円柱(円柱の軸が回転軸と直交)
円筒(円筒の軸が回転軸と平行)
円筒(円筒の軸が回転軸と直交)
直方体(回転軸と平行な辺を高さ H とする)
質点

: 質量 [kg]、: 半径(円筒は内半径)[m]、: 外半径 [m]、: 幅 [m]、: 長さ [m]。回転軸と平行な寸法(軸が回転軸と平行な円柱の長さ、直方体の高さ )は、慣性モーメントに影響しません。軸が回転軸と直交する円柱・円筒では、長さ が効きます。

半径と直径の取り違えに注意してください。直径 で書くと、円柱は です。

平行軸の定理(回転軸が重心を通らない場合)

回転軸が部品の重心を通らない場合は、平行軸の定理を使います。重心まわりの慣性モーメントを 、重心から回転軸までの距離を とすると、

です。回転テーブルの端に載せたワークや、アームの先端の部品は、この の項が大きくなりがちです。たとえば直方体を長さ方向の端で回すと となり、細長い負荷では中心で回す場合の約4倍になります(回転軸が高さ方向の場合)。

複数の部品は足し合わせられる

同じ回転軸まわりの慣性モーメントは、部品ごとに求めて足し合わせられます。

テーブル・ワーク・治具・カップリングなどを部品に分けて入力すると、どの部品が全体の慣性モーメントに大きく効いているかを「割合」で確認できます。割合の大きい部品を軽くするか、回転軸に近づけると、必要トルクを効率よく下げられます。

GD² と kg·cm² の換算

古いカタログや一般産業用モータの資料では、慣性モーメントの代わりに GD²(はずみ車効果)が使われることがあります。GD² [kgf·m²] と慣性モーメント [kg·m²] の関係は次のとおりです。

サーボモータのカタログでは、ロータ慣性モーメントが「×10⁻⁴ kg·m²」で書かれていることが多く、これは kg·cm² と同じ値です(1 kg·m² = 10⁴ kg·cm²)。