実効トルク(RMS トルク)とは
実効トルク(RMS トルク)は、加速・定速・減速・停止を繰り返す運転パターン全体で、モータの発熱が同じになる「一定のトルク」に相当する値です。
モータの発熱は電流の2乗に比例し、トルクはほぼ電流に比例するため、トルクの2乗を時間で平均して平方根をとります。2乗するので、減速区間のトルクが負でも結果は同じです。
連続運転できるかの確認では、実効トルクがモータの定格トルク以下であることを確かめます。定格トルクは、そのトルクを連続で出しても許容温度を超えない値です。
区間ごとのトルクの求め方
各区間のトルクは、モータ軸に換算した慣性モーメント (モータ自身のロータ慣性を含む)、角加速度 、摩擦などの負荷トルク から、次のように求めます(水平な回転で、負荷トルクが一定の場合)。
停止中に重力などで保持トルクが必要な場合は、 にその値を入れます。初期値の例(、)では、、、 になります。
このツールで入力方法を「速度と慣性から計算」にすると、最大速度 n と加速・減速時間から角加速度 α = 2πn/60 ÷ t を求め、この式で区間ごとのトルクを自動で計算します。慣性モーメントは「慣性モーメント計算」、減速機を使う場合のモータ軸への換算は「減速機計算」で求められます。
ピークトルクと定格トルクの両方を確認する
モータ選定では、次の2つを別々に確認します。
- ピークトルク(多くは加速区間のトルク)が、モータの最大(瞬時)トルク以下であること
- 実効トルクが、モータの定格トルク以下であること
ピークトルクだけで選ぶと、加減速を頻繁に繰り返す用途でモータが過熱することがあります。逆に実効トルクだけで選ぶと、加速の瞬間にトルクが足りなくなることがあります。どれだけ余裕を持たせるかは、メーカーの推奨や使用条件に従ってください。
実効トルクを下げるには
実効トルクが定格トルクを超える場合は、次のような対策があります。
- 加速時間・減速時間を長くして、加減速のトルクを下げる(トルクの2乗で効くので効果が大きい)
- 停止時間(休止時間)を長くして、サイクル全体の平均を下げる
- 負荷を軽くする、減速比を見直してモータ軸換算の慣性モーメントを下げる
- 定格トルクの大きいモータを選ぶ