メカ設計計算ツール

減速機計算

減速機の出力側(負荷側)に必要な回転数・トルクを入力すると、減速比と効率から、モータに必要な回転数・トルクを計算します。慣性モーメントを入れると、モータ軸から見た負荷の慣性とイナーシャ比もわかります。計算はすべてブラウザ上で行われます。

負荷側(減速機の出力軸)

rpm
N·m

モータ必要トルク計算の結果(安全率込み)を入れられます。

空欄にすると、慣性の換算とイナーシャ比を省きます。

減速機

1/50 の減速機なら 50 を入力します。

%

モータ(任意)

カタログの「×10⁻⁴ kg·m²」は kg·cm² と同じ値です。空欄ならイナーシャ比を省きます。

計算結果減速比 50・効率 90%

モータ軸トルク

TM =0.2222N·m

モータが減速機に渡すトルクです。一定速のときの必要トルクにあたり、モータ自身(ロータ)の加速トルクは含みません。

モータ回転数 nM3000rpm
負荷慣性(モータ軸換算) JL′= 5.92 kg·cm²0.000592kg·m²
イナーシャ比許容値はモータの種類・メーカーで異なります。カタログで確認してください(イナーシャ比とは)8.836倍
モータ減速機i, η負荷JLnM, TMnL, TLモータ軸出力軸
減速比 i = モータ回転数 ÷ 負荷側の回転数(1/50 の減速機なら i = 50)
計算式・途中計算を見る ▼
モータ軸トルク:
モータが減速機の入力軸に渡すトルク。減速比で小さくなり、効率の分だけ大きくなります。モータ自身(ロータ)を加速するトルクは含みません。
モータ軸換算の慣性:
負荷の慣性モーメントを、モータ軸から見た値に直したもの。減速比の2乗で小さくなります。
イナーシャ比:
モータ軸換算の負荷慣性が、モータのロータ慣性の何倍か。大きいほど制御しにくくなります。

入力(SI単位に換算)

1. モータ回転数

2. モータ軸トルク

3. 負荷慣性モーメントのモータ軸換算

4. イナーシャ比

※ 途中式の数値は有効数字6桁で表示しています。

ここまで:計算ツール

減速機の計算について詳しく知る

減速機でトルクと回転数はどう変わるか

減速比 の減速機を使うと、負荷側の回転数はモータの になり、トルクは理想的には 倍(効率 を含めると 倍)になります。逆に、負荷を回すのにモータが減速機に渡す必要のある回転数とトルクは、次のとおりです。

は減速機の効率です。歯車の摩擦などで失われる分だけ、モータは理論値より大きなトルクを出す必要があります。効率は減速機の種類・減速比・負荷率で変わるため、使う減速機のカタログの値を入れてください。

たとえば負荷側で 60 rpm・10 N·m が必要なとき、減速比 50・効率 90% の減速機を使うと、モータは 3000 rpm・約 0.222 N·m を減速機に渡せばよいことになります。

この には、モータ自身(ロータ)を加速するトルクは入っていません。一定の速さで回っているときは がそのままモータの必要トルクですが、加速しているときは、ロータの慣性モーメント とモータ軸の角加速度 による分が上乗せになります。

上の例で、モータが 0.1 秒で 3000 rpm まで加速する()とき、ロータ慣性 のモータでは となり、必要トルクは約 0.43 N·m と、 のほぼ2倍になります。減速比が大きいほど負荷側の値はモータ軸で小さくなる一方、ロータの分は小さくならないため、この差が目立ちます。

慣性モーメントは減速比の2乗で小さくなる

負荷の慣性モーメント をモータ軸から見た値(モータ軸換算)は、減速比の2乗で小さくなります。

これは、回転の運動エネルギーが同じになることから導けます。負荷の角速度を 、モータの角速度を とすると、

減速比 50 なら、負荷の慣性モーメントはモータ軸から見て 1/2500 になります。大きな負荷でも、減速機を使うと小さなモータで加速できるのはこのためです。

イナーシャ比とは

イナーシャ比は、モータ軸換算の負荷慣性が、モータのロータ慣性 の何倍かを表す値です。

イナーシャ比が大きいほど、モータに対して負荷が「重すぎる」状態になり、加減速で振動しやすく、位置決めに時間がかかるなど、制御が難しくなります。許容できるイナーシャ比は、モータの種類(サーボモータ・ステッピングモータなど)やメーカー・機種によって異なるため、モータのカタログの値を確認してください。

イナーシャ比を下げるには、減速比を大きくする、ロータ慣性の大きいモータを選ぶ、負荷を軽くする(回転軸から遠い部分の質量を減らす)、といった方法があります。

減速比を決めるときに確認すること

減速比を大きくすると、モータ軸トルクとイナーシャ比は小さくなりますが、モータ回転数は大きくなります。減速比を決めるときは、次の点を合わせて確認します。

  • モータ回転数 が、モータの最高回転数と、減速機の許容入力回転数を超えないか
  • モータ軸トルク (加速時はロータの加速トルク を足した値)が、モータのピークトルク(加速時)・定格トルク(連続運転時)に収まるか
  • 負荷側のトルク が、減速機の許容出力トルクに収まるか
  • イナーシャ比が、モータの許容値に収まるか

連続運転時の確認には、運転パターン全体の実効トルク(RMS トルク)を使います。負荷側の必要トルクは「モータ必要トルク計算」、実効トルクは「RMS トルク計算」で求められます。