メカ設計計算ツール

モータ必要トルク計算

負荷の形状・質量・寸法と角加速度を入力すると、必要トルクをその場で計算します。計算はすべてブラウザ上で行われます。

負荷形状
回転軸
回転軸の向き
LHW
重心を通る縦の軸まわりに回転高さ H は回転軸と平行なので、慣性モーメントに影響しません。
kg
角加速度の入力
rad/s²

初期検討では 1.5〜2.0 程度が目安です。

計算結果直方体・中心で回転

必要トルク(安全率込み)

Treq =1.262N·m

安全率 2.0 を考慮しています。

慣性モーメント J0.06313kg·m²
加速トルク Tacc0.6312N·m
計算式・途中計算を見る ▼
慣性モーメント J:
物体の「回転しにくさ」。回転軸から質量が離れているほど大きくなります。
加速トルク Tacc:
指定した角加速度で負荷を加速するために、理論上必要なトルクです。
必要トルク Treq:
加速トルク(回転軸が水平なら重力トルクも足した値)に安全率を掛けた値です。

入力(SI単位に換算)

1. 慣性モーメント

2. 必要加速トルク

3. 安全率込み必要トルク

※ 途中式の数値は有効数字6桁で表示しています。

ここまで:計算ツール

モータ必要トルクについて詳しく知る

モータの必要トルクとは

モータの必要トルクとは、負荷を目的どおりに動かすためにモータが出さなければならないトルクです。回転体を加速するには、慣性モーメント と角加速度 の積で表される「加速トルク」が必要になります。

実際の必要トルクは、この加速トルクに重力による負荷トルクや摩擦トルクなどを加えたものになります。このツールでは加速トルクを計算し、回転軸が水平な場合は重力トルク(腕が水平のときの最大値)も加えられます。摩擦トルクや外力は含みません。

慣性モーメントとは

慣性モーメントは、物体の「回転のしにくさ」を表す量で、単位は kg·m² です。直線運動における質量に相当し、慣性モーメントが大きいほど、同じ角加速度を得るために大きなトルクが必要になります。

代表的な形状の慣性モーメントは次のとおりです。

形状慣性モーメント
円柱(長手方向の中心軸まわり)
直方体(中心で回転)
直方体(端で回転)

: 質量 [kg]、: 半径 [m]、: 幅 [m]、: 長さ [m]。直方体の回転軸は高さ の方向(縦)で、「端で回転」は長さ の端面の中央を通る軸です。回転軸と平行な寸法(円柱の長さ、直方体の高さ)は、慣性モーメントに影響しません。

回転軸が重心を通らない場合は、平行軸の定理を使います。重心まわりの慣性モーメントを 、重心から回転軸までの距離を とすると、

です。直方体を端で回転させる場合は となり、中心で回転させる場合よりも慣性モーメントが大きくなります。

なぜ距離の2乗が効くのか

回転軸から距離 の位置にある質量 を角加速度 で加速することを考えます。この質量の接線方向の加速度は なので、必要な力は です。さらにトルクは力に腕の長さを掛けた なので、

となり、距離 が「加速に必要な力」と「てこの腕の長さ」の両方に効くため2乗になります。たとえば細長い負荷の長さを2倍にすると、慣性モーメントはおよそ4倍になります。

角加速度とは

角加速度 [rad/s²] は、角速度 [rad/s] が単位時間あたりにどれだけ変化するかを表します。回転数 [rpm] と加速時間 [s] がわかっている場合は、次のように求められます。

例:停止状態から 0.1 秒で 300 rpm まで加速する場合、 rad/s となり、 rad/s² です。加速時間を短くするほど、必要なトルクは大きくなります。

安全率とは

安全率は、計算に含まれない要素や見積もりの誤差に備えて、理論値に掛ける余裕の倍率です。負荷質量のばらつき、摩擦の見積もり誤差、電源電圧の変動、モータ特性のばらつきなどを吸収する目的で使います。

どの程度の安全率が適切かは用途や計算の精度によって異なります。条件がよくわかっていない初期検討では、1.5〜2.0 程度を目安にすることが多いです。

ピークトルクと定格トルクの違い

ピークトルク(瞬時最大トルク)は、モータが短時間であれば出せる最大のトルクです。加速時のように一時的に大きなトルクが必要な場面では、この値と比較します。

定格トルク(連続定格トルク)は、モータが発熱の制約の範囲内で連続して出し続けられるトルクです。加速・定速・減速を繰り返す運転では、運転パターン全体の実効値(RMSトルク)を求め、定格トルク以下になるように選定します。

モータ選定で注意すること

  • 加速トルク以外の負荷:重力による負荷トルク(アームを持ち上げる場合など)、摩擦トルク、外力を加算して必要トルクを求めます。
  • 減速機を使う場合:減速比 、効率 のとき、モータ軸から見た負荷トルクはおよそ 、負荷慣性は になります。一方、モータの回転数は 倍必要です。
  • 回転数:必要な最高回転数がモータの許容回転数以内で、その回転数でも必要トルクが出せるかを、トルク-回転数特性で確認します。
  • 慣性モーメント比:負荷慣性がモータのロータ慣性に比べて大きすぎると、制御が不安定になりやすくなります。許容される比率はメーカーのカタログで確認してください。
  • 実効トルクとデューティ:運転パターンからRMSトルクを求め、連続定格トルク以下であることを確認します。